【事例紹介】言葉が出ない…でも“伝えたい”気持ちはいっぱい。発語の遅れがある女の子へのサポート

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【事例紹介】言葉が出ない…でも“伝えたい”気持ちはいっぱい。発語の遅れがある女の子へのサポート

にじいろPLUS療育に通っている4歳の女の子は、発語の遅れがあるお子さんです。

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ご家族からの最初の相談は、「言葉がなかなか出てこない」「同年代のお友達と遊べない」「何を考えているのか分からないときがあって心配」というものでした。

ご両親の中には、「うちの子だけ成長が遅れているのでは?」という不安が大きく、子どもへの関わり方に悩まれている様子もありました。

こう心配される保護者様はとても多いです。
症状の度合いにもよりますが、大きく改善される場合も多くあります。

言葉が出ない=伝えられない、じゃない

にじいろPLUSではまず、「言葉が出ない=何も伝えられない」とは考えません。

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女の子のしぐさや表情、目線の動き、指さしや身体の向きなど、たくさんの“伝えたいサイン”を読み取りながら、やりとりの一歩を積み重ねていきます。

そして、安心できる関係性の中で、「楽しい」「嬉しい」「もっとやりたい」など、心が動く体験を増やすことを大切にしました。

“ことば”の土台を育てる関わり

発語の遅れには、発声そのものの課題だけでなく、“言葉を使う場面”や“人との関係性”の経験不足が関わっていることもあります。

そこで私たちは、以下のような支援を丁寧に行いました。

  • 「見る・聞く・まねる」などの基本的なやりとり遊び
  • 表情やジェスチャーを使ったやさしいやりとり
  • 絵カードや身近なものを使って「これ、なあに?」と問いかける
  • 言葉が出たときには、すぐに反応して「伝わったよ!」という喜びを共有

 

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特に、「〇〇ちゃん、ありがとう」「はい、どうぞ」「うれしいね」など、短くても意味のあるやりとりを何度も繰り返し、ことばのやりとりが楽しい体験になるように支援しました。

 

初めて出た“ことば”の瞬間は、周りみんなの宝物

通い始めて3ヶ月ほど経ったころに、大好きな絵本を読んでいるとき、いつもより少し前のめりになった女の子が、小さな声で「わんわん」とつぶやいたのです。

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それは、絵本の中の犬を指さしたときでした。
スタッフも思わず涙が出るような瞬間でした。

この、当たり前の事が出来ないというのが、保護者様が悩む、当事者しかなかなかこの苦悩はわかってもらいにくい所でもあります。

それ以来、少しづつですが、女の子は「ありがとう」「バイバイ」「ママ」など、少しずつ単語のレパートリーを増やしていきました。

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まだ会話がスムーズにできるわけではありませんが、“言葉が出る”こと以上に、“気持ちが伝わる”ことの喜びが、この子の毎日を変えていっています。

また、職員もそういう時だけというわけでは、もちろんありませんが、何歳になっても、出来なかったことが出来るようになるというのは、本当に素晴らしい事で素敵なことだと感じています。

言葉の前に、大切なのは「伝え合いたい気持ち」

にじいろPLUSが行う療育は、ことばの発達に焦点を当てるだけでなく、「この人とやりとりしたい」「伝えたい」という気持ちを大切にしています。

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ことばは、心と心がつながるツールのひとつです。
その土台を育てる療育を、これからも丁寧に続けていきます。